白い箱の謎

 校庭北西端の芝生の上に鎮座する白い箱があります。
風を通す鎧戸に囲まれたこの箱は一体何でしょうか?

 

 

 これは「百葉箱」と呼ばれる気象観測装置です。本校の百葉箱には、気圧計と、温度・湿度を測定して一定間隔で記録し続けられるデータロガーが入っていました。この百葉箱、かつてはどの学校の校庭にも当たり前のように存在していましたが、今ではあまり見る機会がありません。それというのも、1990年代に気象台や測候所などでの百葉箱による観測は廃止されており、今ではデータを自動送信する電気式乾湿計を組み込んだ「強制通風筒」と呼ばれる装置や、「アメダス(AMeDAS:Automated Meteorological Data Acquisition System)」と呼ばれる地域気象観測システムによる観測に代わっているからです。

 

 
強制通風筒   アメダス          (気象庁HPより)

 

  

 今では観測の第一線から退いてしまった百葉箱ですが、理科教育振興の象徴として、今でも校庭の芝生の上で確かな存在感を示しています。

 ちなみに、百葉箱は地面からの高さや設置場所(地面から1.2~1.5mの高さ・直射日光や照り返しを受けない風通しの良い芝生の上など)等、設置基準が細かく決められており、扉も直射日光が差し込まないように北向きで設置するように指定されていました。

 

 

 北面の扉といえば、法隆寺五重塔の涅槃像土が思い起こされます。世界最古の木造建築物があることで有名な世界遺産の法隆寺は、修学旅行で見学することもあります。五重塔初層四面にはそれぞれ塑像が安置されていますが、法隆寺の泣き仏とも呼ばれる北面の涅槃像土は特に有名なものとなっています。

 

   

更新日:2024年04月12日 18:15:47